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2007年6月25日 (月)

ある地域会での講演

「安全・安心な住いづくり」
2007・6・23 グループ桂台(横浜市栄区)の講演
はじめに
 私たちは無料建築相談や裁判所の建築調停の場で、
多くの建築工事のトラブルや問題のある建物を目にしております。
 トラブルや欠陥住宅は他人事とせず、事を始める前に是非一考して頂きたいと思います。
建築の工事は思っている以上に複雑です。「誰の指示で行われている工事か」によっても
大きく左右しますし、又職人の方の裁量で行われる仕事の範囲が非常に多い為、
その方の知識・技量・モラル等が直接仕事の良し悪しとして現れます。
 しかしながら事前に対処する事により、安全で安心できる又満足できる我が家とすることが出来ます。
本日は、ほんのさわりだけの情報発信とはなりますが、是非その真意を理解して頂き
良質な住いづくりのお役に立てれば幸いと思います。

1.建て替えるかリフォームにするか……その決断の目安は?

1)既存住宅の耐震性について                   
■建築基準法は昭和25年に制定され、その後大地震が起こる度に改正されています。
 1952年十勝沖、新潟、1968年十勝沖、伊豆半島沖、宮城県沖
■1981年(昭和56年)(新耐震基準の制定・筋交いの大幅な増加)
 兵庫県南部1995年
■2000年(平成12年)(建物のバランス・金物・地盤の検証・品確法の制定)
 姉歯関連・建築界への不信感
■2007年(平成19年)(信頼性―虚偽・チェックミスの排除⇒性善説から性悪説)
審査・検査の厳格化、建築士の業務に対する責任、処罰、保険

2)過去の地震で大きな被害を受けた箇所と要因
    耐力壁不足・アンバランスな壁の配置・土台、柱の結合不足・筋交いの緊結不足・不適切な
  地盤と基礎。腐食、食害  
 
3)基本部分の価値……希少的、時代的価値がある(現在では得られない材料・工法)

4)横浜市の耐震化補助制度の概要
   イ.木造住宅耐震診断士派遣制度(S56・5末以前に建築確認を得て着工したもの)
   ロ.上記の制度により診断を受け「総合評価1.0」が安全建物の目安となります
   ハ.「総合評価1.0」未満の住宅で耐震改修工事を行う場合には150万を限度とし
     補助金が利用できます。(違反建築物は対象外です)

2.建築工事の問題点と業者の選び方……トラブルになり易い要因を検証する
    
1)信頼感の崩壊がトラブルとして顕著化する(事の始めはお互い笑顔でスタートする)
 イ.設計図、仕様書等が充分揃っていない為、施主と工事人の認識等が一致しない。
 ロ.仕事の精度や仕上り具合に統一された尺度がない(良い・悪いの判断は誰がするか)
 ハ.施主と工事人の主張の違いで対立したとき調整する人がいない.
 ニ.「設計施工」の看板は設計士の資格者が居なくても出せる(100㎡迄無資格でOK)
 ホ.工事費の支払いが完成具合に対しての担保となる、過払いとなる事も多い
 へ.施主と工事人が顔に見える関係になっていない。

2)基本的に施主と工事会社は利害が相反する。(高い⇔安い。仕事が雑⇔丁寧 等)

   工事を頼む施主と工事をする工事会社との関係の中で、実際に誰が全体に指揮をして工期を守り、
   予算の範囲内で、より良い工事を完成させるか。
     そのキーマンは
   施主が自ら依頼した設計・監理者か ……当然施主よりの行動となる                      
   設計施工共一括して依頼した工事会社の担当者……工事会社の利益を優先した行動となる 
    以下整理をする
3)工事会社と直接契約の場合 
 イ.選択は施主の知識の中で決める
 ロ.工事会社を決めた後に工事内容を詰める(特命契約).評価は施主の感覚による
 ハ.トラブル交渉も含めて全てを施主自ら行う
 ニ.工事金額の比較が出来ない(仕様書も含めて)
 ホ.工事会社主導となる
 へ.工事優先となり易く設計が未熟で提案力が乏しい 
 ト.最終的に実行力があり信頼できる人材(関与するメンバーの中に)が存在するか
       
4)設計事務所に依頼した場合  
 イ.設計者が施主側の立場で工事全体を取り仕切るキーマンとなる
 ロ.工事会社の選択に知識・情報を提供できる
 ハ.施主の代理として工事人と交渉する
 ニ.複数の工事会社から見積書提出を受けて決められる(公平な目で比較できる)
 ホ.工事費に加えて設計監理料が必要である(相対的に出費が増えるとは限らない)
 へ.信頼できる人材か。設計の段階で見極める事が出来る
 ト.施主のペースで事を進めることが出来る

3.悪質リフォームについて

1)付入る口実  近所で工事をしているがお宅の屋根の鉄板が少しめくれている……
         工事現場の帰りですが…………。通りすがりの者ですが…………。

2)営業姿勢   誠実そうで、親切、物腰が柔らかい。

3)受注に際して 打合せシート、工事内容、見積書など後で不備を指摘されないように書類を整えている.
           請負書や注文書に「例・上記打合せにて了承しました」と書かせて、印を押させる。

4)工事中    手早く工事をする・次々と工事内容が膨らむ。成功すると又来る。

5)対象個所   屋根の塗装。瓦屋根のズレ。外壁の塗装。床下(シロアリ。湿気。補強)
           屋外排水等

6)対策     承諾しない(印を押さない)即断しない(信頼できる人に相談する)話に乗らない。

4.防犯・防災対策

 1)家の周囲に視線を遮る物を置かない。作らない(塀。庭木)

 2)引き違い戸の対策(雨戸.シャッター.クレセントの見えない框.二重ロック.複層ガラス)

 3)扉の対策(二重ロック。サムターン回し対策。ディンブルキーを過信しない)

 4)ガラスの種類(普通ガラス。網入り。合せガラス。複層ガラス。強化ガラス)

 5)留守居を察知されない工夫(駐車場.ポスト.常夜灯.ラジオ)

 6)隣近所。町内会全体で対策する

 7)火災報知器設置の義務化

 8)自動消火対策のガスコンロの使用


5.疑問多い今の家づくり……
               
 1)家を「買う」リスク(顔が見える関係が無い。職人の質の低下。責任感の低下を招く)
 2)ローンの組み易さ、ブランドで選択する事が多い(雪印、不二家の問題と共通する)
 3)高額な投資に見合った保全をしていない。建築主の味方なる専門家を探す。
 4)過度の高断熱。高気密住宅の疑問(カビ.ダニ.ハウスダスト.科学物質の発生)
                 (抵抗力の低下・創造性・知恵の欠如)
 5)工期の短い家づくり(コンクリート、木材等の乾燥の影響) 
 6)分譲マンションへの問題(管理組合が入居後に設立される、共有部分の扱い)
 7)耐用年数の長い家づくり(消耗品では無く資産の継承を意識する。環境対策)
 8)軟弱地盤対策(基礎、杭、擁壁の安易な施工)
 9)べた基礎への過信(基礎底が浅い。鉄筋が少ない)
 10)屋根。庇の出が短い。霧除けがない(雨は外壁を漂っている)
 11)屋根裏換気(野地板の腐朽、寄せ棟屋根の疑問)
 12)点検口の設置の勧め(水漏れ等のチェック)
 13)大地震への備え
 14)情報収集の必要性(賢い消費者となる為に)
 15)情報開示の要求(もっと緊張感を持って)

 
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